そもそも賃貸するには
2022/10/06
このブログでは2016年7月1日~これまで一貫して飲食店の経営と運営、そして報告をまとめてきました。
http://concent10.org/report4/ ←前回のブログで飲食店自体の賃貸まで完了しましたので、ここからはまだ記事にしていない分野について進めていきたいと思います。
賃貸から所有へ
これまで読み進めていただいた方の中には、お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが
そもそも、店舗を貸すということは店舗を所有していた、という前提があります。
一般的には店舗を借りるところからスタートしますね。私も初めはそうで、賃貸して店舗家賃を払っていました。しかし、その他の事業をする中で(その他の事業は別記事で書きます)経験を積み、賃貸から所有へ移行できないか?という考えになりました。
飲食店を始めて1年ほど経った時、建物の持ち主(親族)に相談し、計画的に進めていきたいと伝えました。しかし、その計画的に進める 「前」 に起こっていたことがあります。
建物で起こっていたこと
建物の2F部分を借りようと決め事業融資や営業許可申請を地元商工会議所を通して進め、ほぼ確実になった頃、建物オーナーから「話がある」と言われました。
当時1Fは別の飲食店が入っており、その家賃がずっと未納のままだというのです。
そこで、2Fは大丈夫なのか という心配と、なんとかならないものか という相談でした。
私なりに考えた案は
1、2Fの家賃は確実に払う
2、家賃を払っている実績を持って第三者と共に1Fの状況を聞く
3、2Fは払っている、1Fはどうするのか、オーナーが困っている という説得
この3点で進めることにしました。そして実際話をしたのです。
問題だったのは、1Fの店主はオーナーの親族のうちの一人(物件所有者ではなかった)が連れてきた知人で賃貸契約書が無かったことです。
これではどうしようもありません・・・
店主の言い分は
①払ってないのは悪いと思うけど、売り上げが落ちて、今は払えない。
②お店を始める時に空き店舗状態ではなかったため店舗造作以外の相当な費用が掛かった。
というものでした。
オーナーに確かめると1Fの場所はスケルトン状態ではなかったと言いました。以前の使用者のゴミもそれなりに残っていたようです。その処理費用と店舗造作費用を出したのだから一般的な店舗より経費が掛かった というのが1F店主の言い分でした。
契約書がない以上、話し合いしか残ってませんでした。そして、どれくらいなら払えるのか粘り強く交渉続けていくしかありません。
更なるトラブル発覚!
1Fの店主は他にもトラブルを起こしていました。
ある日、その店主が近くで借りていた駐車場代の未納とガス料金の未納、食材卸業者とのトラブル などなどが発覚したのです。
飲食店でガスを使えないのは致命的・・・その店主は小さなガスボンベ(露店で使う少量のボンベ)を買いに出かけていました。そして従業員への給与も遅れていることも判りました。
当然ながらガスボンベの頻繁購入はガス会社からストップがかかります。そしてガス会社は無数にあるわけではありませんので時間の問題で買う先が無くなりますね。(https://klchem.co.jp/blog/2014/12/post-2486.php)
自然退去
結局、話し合いから2か月もしないうちに家賃未納のまま出ていきました。駐車場や設備の支払いができない経営では自然な流れです。
また、この店主を紹介した親族も、まさかトラブルを起こす人とも思っていなかったようで、家賃があれば資金返済の足しになる、、との想いがあったため責めることもできませんでした。
親族間の重い空気を一掃するのに大変だった記憶があります。こういうのは、間に立つ身としてホントに難しいですね。
所有を視野へ
賃貸は毎月の賃料が発生しますが、所有は取得時に借りた金融機関への返済額になります。そしてそれは、いずれ終了するもの です。1F店舗の(苦い)経緯から持ち主と話す機会が増えました。「親族だからいいだろう」という考えは過りますが、実際には親族だからこそ計画性を持って臨むべきだと、しっかり経験で学びました笑。
所有のメリットは
・賃貸することができる(収入)
・資産価値がある(担保価値)
デメリットは
・固定資産税と管理義務がある(補修や整備)
・購入時の支払い(負債)がある
・家賃の未払いが あるかもしれない・・・(しっかり学んだ)
所有者にとって、どの項目が気になるのかストレスなのか?が重要になってきます。返済ストレスがあるなら手放した方が気が楽だし、補修の面倒さ からも解放されます。それが気にならない程度ならメリットの方が大きく感じるわけです。
今回のような未払いによる問題は時間と労力がかかります。オーナーは手放したいと考えていました。
まとめると、デメリットを所有者と共有できたので私にとって賃貸から所有への心理的なハードルは上がりましたが、時間をかけてこの話を進めていくことを所有者に伝え、承諾してもらいました。
その後は、賃料の代わりに借入金の返済や固定資産税や保険なども全て私が行い、時間をかけて所有者の精神的負担を軽くしていきました。
また、経過報告も随時行い、飲食店をいずれ手放し賃貸に出す可能性も話していきました。
結果が出るのは時間がかかるもの
今回の内容は公開するか悩み続けたのですが、賃貸に出す以前に所有するまでの経緯があり、実際に賃貸するまでにも時間(丸2年)が掛かっています。一見すると最初から所有していたと思われているのかもしれませんが、そうではない部分を記しておきたかったのです。
自分の思い描いた形になるまで15年掛かっていますので、時間は必要でした。
たまたまですが、コロナでの営業自粛期間中にたくさんの時間ができたことは確かです。自分と向き合い考えた結果を「行動に移そう!」と決意させた期間になったと感じています。
行動に移したのは
・お店を辞めること
・お店を賃貸に出すこと
・建物の所有権移転手続き
店舗運営で、がむしゃらに進んでいた時期は 何もしない=生産性がない と思っていた自分がいます。そうではなく、少し引いて見た景色が行動に繋がったと思っています。
賃貸が最終目的ではありませんが、飲食店経営から次のステージへ歩みだせた喜びを感じています。
次の記事http://concent10.org/new-way/
ではまた。